曇りもせず 曇りも果てぬ 春の夜の 朧月夜に似るものぞなき
『源氏物語』花宴の巻より。
宮中の権力をすべて我が物とする実力者、時の右大臣の娘、朧月夜と光源氏の君が出会い、共に夜を過ごし、恋愛ゲームを繰り広げる、と。
たまーに思うのですが朧月夜の立場に立つとこれって怖い出会いですよねー(^^;
桜の宴を口実に、皇后である姉の弘徽殿を訪ねた朧月夜。
宮中にて執り行われた、昼間の華かやな儀式を思い起こしながら、人が寝静まった弘徽殿をそぞろ歩く。そこへ現れた一人の男。その男に抱き寄せられて・・・
このシチュエーション、普通に考えたら「こえー」ですよ・・・ 何せ、この頃、朧月夜は未婚の女の子。多分、10代。将来の皇太子妃、天皇妃として大切に育てられていた頃。当然、処女。それが目の前に現れた男と一夜を過ごすとはなー
これって現代風にあてはめたら・・・夜道を歩いていたら、後ろから男が姿を現して、強引にかき抱く・・・みたいな流れですよね。
え、違う?わたしの中ではこうなっております。
相手が光り輝く源氏の君、帝の皇子、世の女性のため息をさそう美貌の貴公子だと気づいたからこそ、朧月夜はその身を任せたわけですが。いやーそれでも怖いよ・・・40代のおばちゃんでも怖いんだから、10代の朧月夜はもっと怖かったんじゃないかなーと。 それもこれもすべて、「光源氏の君だわ!ステキ」となるもんでしょうかね~うーん。
さて、ともあれ、政敵の娘であった朧月夜との契りにより、光源氏の君は後に須磨へ流されることになりますね・・・ このあたりを語りだすと長くなっちゃいますね(^^; さて、肝心の塗り絵本は以下の要領で。
身分高く生まれ、若く傲慢で美しい娘、朧月夜。 「あなたは近いうちに東宮妃になるのよ」と言われても心ときめかない朧月夜。
恵まれた生まれ、恵まれた育ち、恵まれた美貌。すべてを手にしていた彼女の目の前に現れたのが光源氏の君だった、と。 若い二人の恋はたちまちのうちに燃え上がった。
いわば、現代版ロミオとジュリエットのパターン。障害があればあるほど燃え上がる、と。
朧月夜に関しては傲慢さ、あでやかさ、華やかさを全面的にばーんっと出したいと思っております♪
背中しか登場しない光源氏の君は若いイケメンという雰囲気が出ていればOK。
今まで『源氏物語』は何冊か読みました。 その時は普通に物語に入り込み、愉しく読んだもの。 『 平安王朝絵巻ぬりえbook』の塗り絵はそれとは異なる楽しみがありますね。胸踊らせ、心ときめかせた『源氏物語』をあれこれと考える機会になっております。 それもまた楽しい。
完成しました → 朧月夜×光源氏、『平安王朝絵巻ぬりえ』花宴の巻にて。